キレンゲショウマが見頃 日光市上三依水生植物園(栃木県)



キレンゲショウマはアジサイ科の植物。ショウマは漢方薬サラシナショウマなどの「升麻」の意。同じ升麻の名前が付いたサラシナショウマやトリアシショウマはユキノシタ科で、レンゲショウマやルイヨウショウマはキンポウゲ科と、別の科に含まれる
 

 東日本と北日本ではあまり見ることのない貴重なキレンゲショウマが栃木県日光市上三依水生植物園で8月下旬から見頃を迎えています。

 キレンゲショウマの本来の分布は本州(近畿地方南部)・四国・九州の西日本で、その存在は全国的にあまり知られていませんでした。しかし一躍有名にしたのが26年前のテレビ小説「天涯の花」で、その放映後この花は全国区になりました。今でも、小説の舞台になった徳島県の剣山(つるぎさん)の自生地へは多くの人が訪れています。

 剣山での開花は7月下旬からになりますが、自生地から遠いここ日光市上三依植物園では8月下旬から咲き始めます。訪れた830日は、遊歩道沿いの群生はちょうど見頃を迎え、つぼみから開花までの様子も観察できました。


花の様子がハスの別名、蓮華に似ていることから名前があるレンゲショウマ


カリガネソウの和名は花の様子が雁に似ていることからあるとされる


真夏の花ミソハギと晩夏の花サワギキョウ


黄色いキクはミズギク、手前には一凛のサギソウが咲く


オトコエシ。園内には秋の七草のひとつオミナエシも開花中


晩夏から咲き始めるヤマジノホトトギス


シマカノコユリ。分布の中心は九州西部にある甑(こしき)島。花びらの鹿子模様が特徴

 この時期、園内は夏から初秋の花へ移り変わる頃にのようです。売店そばにハナツリフネソウ、先のキレンゲショウマの群生そばにはレンゲショウマやカリガネソウも。奥の湿原にはミソハギとサワギキョウの競演、夏の花の代名詞のようなサギソウもまだ数輪見ることができました。

 園内のキレンゲショウマは9月中旬まで、まだまだ見られそうです。ぜひお尋ねください。

なお、9月から11月末の閉園までは毎週水曜日休園になります。問い合わせや園の詳細は下記サイトまで。

http://www.yamasyokubutu.co.jp/


記・はしば












コメント